Grand City Hotel Berlin Excelsior
旧ベルリン エクセルシオール ホテル
Hardenbergstrasse 14,Berlin,10623,GERMANY
TEL 49-30-31550
http://www.grandcity-hotel-berlin-excelsior.de

8月19−21日

■多くの予約サイトにおいて上位にランクされ、価格も手ごろなので、選ぶ。
 Berlinが分割されていたときの西ベルリンの中心・Zoo駅の裏手にある。玄関のポールに日章旗が掲げられ、歓迎されていると思いきや、禁煙室の希望はかなえられなかった。そのうえ、同行者とは別の階だ。

■ロビー階(1階)にレストラン三つとラウンジがあり、ロビーには活気があった。フロントは丁重とは行かない。カタカナ英語の客故だろう。パスポートの提示を求められる。

■キーを差し込まなくても階ボタンが反応するエレベーターで8階へ。深青を基調とする内装だが、くたびれた感じの廊下を歩む。メイドはあいさつをする。

■部屋に入る。ほどほどの広さがあるのはよいのだが、煙草臭のしみこんだ安酒場の臭いが鼻をつく。もう最悪の印象。それに輪をかけたのがバスルーム。備品は泡の石鹸だけ。バスタブにカーテンがない。便器との間にアクリル板があるだけ。飛び散った水滴は床をぬらし、それが便器の足下にある排水口に集まってくる。マットがびたびたになるけれど、仕方がないだろう。シャワー洗浄機なんてない。湯沸かし器はある。

■クローゼットの周囲にボックス状の棚があり、荷物の整理に便利。ボックスの一つは冷蔵庫。作動する。

 ベルリンの街の中心が旧東ベルリンへ移りつつあり、そのためにこのホテルは、設備投資をあきらめてしまったのではないだろうか。それともわたしの部屋だけ、とくにひどかった?

ランドリーを頼む。伝票に記入し、フロントへ持参する。日本のビジネスホテルだと下着類は受け付けないが、ここは違う。ビジネスクラスよりは上位にあるホテルなのだろう。  仕上がり時刻を尋ねる。日本なら、夕刻には届く。ところが「明日だろう」と返ってきた。明日のいつごろかと追いかけると「わからない。別の会社のやることだから」ときたもんだ。
 ところがその夜帰館すると、部屋に届いているではないか。しかも黒のイブニングドレスまで追加されていた。お届け時刻を守れなかったお詫びの印だったのだろうか。妻へのお土産にしようかとも考えたが、フロントに届けた。わたしの伝票を持参すれば、わたしが依頼したものではないことを証明できるのであろうが、これまでの接客態度から、こちらがそこまで配慮してやることもあるまいと考え、ドレスだけを持参した。事情を理解した無愛想な係が、ニコッと笑った。しかし、わたしの部屋番号などは聞かれなかった。当然、チェックアウトの際も「おかげで助かった」などのあいさつはなかった。
 しかしあのドレス、無事に持ち主のもとへ届いたのだろうか。

朝のレストラン。朝食券はなく、部屋番号で確認する。
 自分で席を決める。1日目は階下のトイレに通じる通路の際。料理までは遠い。2日目は表通りに面した入り口に近い席。歩道を行き交う人々、朝の通勤の車を窓越しに眺めることができる。料理テーブルはすぐ目の前。
 ビュッフェの料理は質量ともに豊富だ。コーヒーはポットでもってくる。紅茶だと自身で煎れる。スタッフはあいさつしない。
 客たちは素朴だ。カップに飲み物を容れ過ぎちゃったと、その場で立ったまま啜っている。この仕草は万国共通なのだろう。自席のミルクポットが空になったのだろう。ちょっと貸してと言って(言ったはず)、わたしたちのポットからミルクを注いだ者もいる。
 2日目の朝は雷雨があった。ちょうど食事中、稲光ととともに雷鳴がとどろいたが、黄色い悲鳴は聞こえなかった。ドイツ人女性は肝っ玉が据わっているのだろうか。
 客は廊下やエレベーターでは必ずあいさつするし、純朴なドイツ人たちだった。ここは、そういう人たちが利用するホテルなのだろう。ドイツ語ができれば、気取らない会話ができたはずだ。(09.10.05記)